H23.10.20(木)宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校



五ヶ瀬中等教育学校のことは
いろいろな先生方から聞いていた。
だから私も楽しみにしていた。
何しろ、携帯電話・ネット禁止の全寮制。
この高度情報化社会において
情報が遮断された環境で育つ思春期の子どもたち。
いったい彼らはどんな生徒なのだろうか、と。



私は同じテーマの講演を全国のさまざまな学校で行ってきた。
数百回以上だ。
これだけ回数をこなすと、余裕が出てくる。
先生方の様子も見える。
学校の雰囲気もなんとなくわかる。

今まで講演した中で、私が一番印象に残った講演先が佐賀商業だった。
よく、夢中になって読んでいる本が終わりそうになると

「ああ、もう終わってしまう…」

とせつなくなったりする。
佐賀商業での講演でそれが起こった。

「ああ、もうすぐ講演が終わってしまう…(もっと話していたい!)」

それくらい、会場と私が一体となって楽しめた。
平成21年3月4日のことだ。

そしてつい最近、宮崎県で同じ感覚がよみがえった。
平成23年7月7日に行った都城西高校だった。

私はよく講演をオセロゲームに例えるのだが
聴衆が飽きてくると下を向くようになり目の前は「真っ黒」になる。
しかしみなの顔が上がっていると「真っ白」。
「黒」を「白」にするようなしゃべりができなければならない。
ところが都城西ははじめから真っ白。
7月の蒸し暑い体育館で全校生徒800名が、まっしろ。
そして楽しい充実したときを過ごさせていただいた。

しかし、この五ヶ瀬では今までとは全く違う生徒たちの反応に出会った。

「これは昭和の子だ!」

私が話す前から、私の話を楽しもうとしている。
その期待感がふつふつと湧き上がってくる。
詳細はビデオをごらんいただければお分かりになると思う。

情報を遮断すると「感情」がはっきりとしてくるのではないか。
悲しい場面では涙を流す。
嬉しい場面では思いっきり笑う。
そして何よりも、周りにいる仲間と分かち合おうとする。

会場準備をしていたとき、一部のクラスが早く集合していた。
ちょっとサービス、と思って音楽を流すと
申し合わせたようにみんなで手拍子。
その一体感。
きわめて楽しそう。
私は味気ない学校生活を送ったのでこんな生活もいいな、と素直に思えた。

高校生らしい高校生、中学生らしい中学生に出会えた。
それでいて質疑になると「正義って…」と問うてくる。
手ごたえのある生徒たちだった。
こうした先進的な学校を作った宮崎県はすごいと思う。



番外:

この講演の後、寮の食事を生徒さんの案内の元いただいた。
ありがとうございます。
早稲田を目指しています、という彼に私は聞いた。

鳥居「将来の夢は?」
彼「そうですね…何かの形でこの地域に貢献したいです」
鳥居「ムムッ…」

彼によるとこの学校での6年間は夢のようだったという。
その言葉は飾り気なくサラッと出てきた。
周りの友人たちも笑ってうなずく。
いいな。

それから午後4時まで
私は近所の(といっても熊本県)幣立神宮へ。
ここには幻の聖水があるという。
ゲット!



湧き水は神社を抜けてかなり歩く。
途中道を聞いた。
赤ちゃんを抱え家族総出で、大量の水を運ぶ人たちに出会った。

「すみません、水はどこで…?」
「このずっと奥だよ。でもそのペットボトル(500ml)じゃちょっと少ないわね…」

そうなんだ、みんなたくさんくむんだ。
そしてようやく着いた。





この日は結構蒸し暑かったが
驚くほど冷たい水で、
ペットボトルがあっという間に汗をかいた。

それから逆方向ある天岩戸神社へ。
いつも西本宮で御払いしていただいていたが
東本宮へのご挨拶を欠かしていた。
申し訳ありません。
そのお詫びと、それからやはりここにも聖水が…



ということで高千穂の聖水2種類ゲット!
この水は持ち帰り大事に飲んでいたが
確かに体調はよかった。
すばらしい。
ありがとうございます。

そして午後4時から5時半まで
五ヶ瀬の生徒さんへ特別講義。
リハーサルが十分ではなかったので
冷や汗をだらだら流しながらの講義になった。
リハーサルが足りないと「え〜」「あの〜」が多くなる。いかん。
最後まで熱心に聞いてくれた生徒の皆さん、
坂本校長先生はじめ先生方、ありがとうございます。

講演後には坂本先生が校長室を開放してくださり
生徒会のみんなと意見交換。
飛行機の最終便を気にしながらも話は尽きない。
好奇心、向学心旺盛な生徒たちだった。

帰りの車の中では放心状態だった。
遅くまでお送りいただいた田代先生ありがとうございます。
お疲れ様でした。
こうして私の46歳の誕生日は過ぎたのです。
いい日でした。

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