夏見台幼稚園・保育園は食育にこだわった園です。ここでは幼児(3〜5歳)の食育についてまとめます。
管理栄養士 福田真季
1.クラス配膳とは?
2.小グループ制とは?
3.意欲を引き出す工夫
4.キッズクッキング
5.クッキング保育各種
6.文化の継承
7.食具の工夫
大きな特長の1つが、「クラス配膳」です。おつゆ、おかず、ごはんなど、クラスの人数分を鍋に入れてクラスに運びます。そしてクラス内で取り分けます。
もちろん、調理場で盛り付けることは可能です。その方が機械的で簡単です。しかしそれだとやはり冷めてしまいます。できたてを、温かいうちに食べてほしいと思います。
さらに「クラス配膳」には次のようなメリットがあります。
私たち大人でさえ、その日の体調・機嫌などにより食の進み具合は異なります。小さな子どもではなおさらです。
「いつもはよく食べるのに、どうして今日はあまり食べてくれないんだろう?」
「今日はいつも以上によく食べるなあ!」
こうしたことに敏感に気づくのがクラス担任です。
「今日のメニューには○○ちゃんが苦手なものが入っているな…」
そんなときはいつもより控えめに盛り付けをする。柔軟な対応ができるのが「クラス配膳」のもっとも大きなポイントです。
私たちは子どもに「完食」してほしいと思います。「みんなは全部食べているのに、今日も残しちゃった…」という状態が続くと、食べること自体がいやになってしまうかもしれません。
「全部食べられた!おかわり!」という流れを作っていきたいのです。
また何かの都合でクラス担任がお休みのときもあります。先生が変わったとたん、盛り付けがみんな同じ。画一的になると、食べられる子と食べられない子が出てくるのは当たり前です。
しかしそんなときは、常日頃よりクラス担任のサポートに入っている「フリー」の先生が代わりに配膳します。
クラス担任とフリーが連携し、子どもの情報を共有しておれば、いつもと変わらないサポートが可能になります。
ここまで細かなサポートをするのは、はじめて集団へ入る子どもたちへの配慮からです。ご家庭では限られた食の機会しかなかったわけですが、園の給食では色とりどり、見た目もさまざまな食材に触れます。
少しずつ新しい味・舌触りに慣れていき、1年がたってみれば、驚くほどさまざまなものを食べるようになっていくのです。長い目でみて、子どもの食体験を広げていく。そのための「クラス配膳」なのです。
クラス配膳の意義: みんな同じ量、同じはやさで、同じように食べられるとは限らない。それぞれに合った盛り付けをする意義はここにあります。 |
以下に続きます。
1.クラス配膳とは?
2.小グループ制とは?
3.意欲を引き出す工夫
4.キッズクッキング
5.クッキング保育各種
6.文化の継承
7.食具の工夫