コラム:「いじめ」について その2
いじめを予防するために幼児教育にできることは何か?
文科省のページには、具体的ないじめ対策に成功した学校の取り組みが掲載されていました。ある荒れた中学校の改善例です。キーワードは 「異年齢活動」 でした。
この中学校は大変荒れた学校で、不登校やいじめなどの問題行動に苦しんできました。しかし下のグラフのように平成22年の6月のいじめ件数が激減しています。いったい、何があったのでしょうか?
答えは中学校入学前にありました。中1の最初から問題があるということは、小学校の段階ですでに問題があるはずです。そこで、校区にある2つの小学校と連携したのです。
その小学校では、小6と小1の異年齢活動を計画的に行ったそうです。給食、清掃、運動会、読み聞かせ、ほかさまざまイベント。すると6年生の行動が変化しました。平成20年から始まった異年齢活動の試みは3年目に花が咲き、平成22年のいじめ激減につながった、ということです。
地域にガキ大将がいなくなり、一人っ子も増えました。さまざまな年齢が入り混じった集団で遊ぶことで、子どもたちは多くの体験をしました。大人からいわれてやるのではなく、自分たちがルールを作り、役割をこなす。そこで責任感や自主性、小さな子ども(弱きもの)への思いやりを学びました。当然、けんかもあります。しかしけんかを乗り越えることで「仲直りする力」が身につくのです。
夏見台幼稚園・保育園の取り組みは間違っていなかった、と私は思いました。こうした研究は全国の学校に周知されています。最近は異年齢活動を行う小学校も増えているようです。幼児教育の現場にも、どんどん異年齢活動が広まればいいと願います。
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