コラム:「いじめ」について その1
いじめは大変深刻な問題です。いじめは小学校3,4年生から目立って起こり(これもまた「9歳の壁」の問題)、中1〜2でピークとなります。いじめ予防は、小学校に上がる前の幼児期までに行うべきでしょう。
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ここでは文科省が行った大変有名な長期研究について触れます。文科省のホームページから資料がダウンロードできるのですが以下、そのまとめです(「いじめ追跡調査2007-2009」にて検索)。
この長期研究は、大都市近郊のある地方都市で行われました。市内すべての小中学校19校の全校生徒を6年間追跡しています。特筆すべきは、 「個人を特定できる形」 で調査を行ったということです。つまり、小学4年生のA君が6年間、学校で「いじめ」とどう関わったか。何回、どれくらいいじめられたか、わかるのです。(ここでいういじめとは「仲間外れ・無視・陰口」のこと)ここで1つ考えてみてください。
小4〜中3の6年間、いじめ被・加害経験者は全児童・生徒のうち何パーセントだったでしょうか?答えはなんと90%!いじめと無縁でいることは難しいのです。被害者は毎回大きく入れ替わります。いじめを受けてもある時期になると止み、また他の誰かが始まります。そんなことがくり返されるということです。誰もが「いじめ」と無縁ではいられないのです。
では小4〜中3の6年間、不幸にもつねにいじめられ続けたのは1000名中何名でしょうか?
答えは3名。つまり0.3%の生徒が、残念ながらつねにいじめの対象であり続けたといいます。
いじめっ子になる3大要因もわかりました。
第1位:友人とのストレス 。「勉強、顔やスタイルをからかわれた」「悪口を言われた」ということが大きなストレスとなり、他人へのいじめになるということです。第2位:競争的価値観
。「成績、顔やスタイルが悪いとみじめになる」「人より得意なものがないとみじめになる」といったことが大きなストレスとなります。第3位:不機嫌・怒り。これは最もな理由です。
以上の3大要因のうち、第1位の友人とのストレスは圧倒的要因でした。いじめから守ってくれるのも友達。いじめに加担するのも友達。いったい誰を信じたらいいのか、といった感じでしょうか。
意外だったのは、「親からのストレス」「教師からのストレス」は、それほど大きないじめっ子になる要因ではありませんでした。やはり、鍵は「ともだち」。
将来のいじめ問題に、幼児教育はどう対処すべきか。私たちの解答が「異年齢保育」なのですが、それは「8.人に共感できる力」で詳しくまとめます。 |