船橋市の幼稚園 夏見台幼稚園・保育園(船橋市)
1.手で考える力 2.似たものを見つける力(イメージする力) 3.仲直りできる力
4.気分を言語化できる力 5.ごほうびを先延ばしできる力 6.自分で決める力(自律性) 
7.人を尊敬できる力 8.人に共感できる力 9.楽観できる力
10.自分にYES!と言える力(自己肯定感を育むほめ方)

9.楽観できる力

楽観的であると、勉強や仕事での成功、円満な人間関係、健康で長寿であることが最近の心理学でわかっています。



マーティン・セリグマン(元アメリカ心理学会会長)の「ポジティブ心理学」を紹介しましょう。「成績不振のほとんどは能力不足からきているのではない。自分を悲観的に見る習慣からきている」とセリグマンは主張します。その裏づけとして、

★保険のセールスマン(メットライフ)の楽観性と営業成績
★ペンシルベニア大学の新入生の楽観性と入学後の成績
★海軍学校の新兵の楽観性と除隊率

などの調査から、楽観性は成功の鍵であると主張しています。(「オプティミストはなぜ成功するか?」講談社文庫 M・セリグマン著)。

どんなに能力がある人でも、悲観的に考える
クセ(習慣) がある人は続きません。逆に今だめでも、楽観的に考える クセ(習慣) のある人には可能性があります。努力を継続していくことができるからです。



再び「氷山理論」で説明します。例えば矢印「A」のように、他人から何か言われたときには言い返すことができます。相手が目の前にいますから。しかし家に帰れば一人です。そのときのつぶやきはどうでしょうか?(矢印「B」)「どうせオレなんか…」とマイナスのつぶやきをする
クセ(習慣) があると、自分自身に反論することは難しいのです。そして無意識に行っている「つぶやきの習慣」は、私たちの行動に大きく影響します。日常的にくり返されるからです。セリグマンはまず、

自分の説明スタイル(つぶやきの習慣)に気づくこと

を強調しています。物事を悲観的に考えるクセのある人は、その考え方をどんどん広げます。暗い方へと考えが進んでいきます。しかし楽観的に考える人は違います。悪い考えを「一時的」なものと切り替えます。

楽観的な人は悪いことを「一時的と考える」「限定的に考える」

つまり
「時間」「空間」の認識を変えることです。悲観的な人は悪く考え出すとその考えをドンドン広げてしまいます。

「また怒られた。私はなんてダメなのだろう。どうせ次も…」

逆に楽観的な人は、失敗しても悪い考えを広げず、断ち切ります。

「お母さんに怒られた。今回は失敗だった。きっと次は!」

反省は大事ですが、いつまでもクヨクヨすることはありません。すぐに切り替え、失敗をくり返さないことが大切です。

時間的には『
、ミスをした』。空間的には『私はここでしくじった』。こんな心のつぶやきを習慣化できることも大切な社会的スキルといえるでしょう。そしてここからが幼児教育に発達段階に関係してきます。

子どものそばにいる人(主に母親)のつぶやきを、子どもがそのまま真似る傾向があることをセリグマンは証明しています。二世代、三世代にわたる膨大な数の日記、遺書、インタビュー等から、母親と子どものつぶやきが似てくることがわかったのです。

大人は子どもの鏡といわれますが、特に幼児期の子どもは何でも真似ようとします。これは園のスタッフにも当てはまることです。私たちの心の状態が、子どもの楽観性・悲観性に影響を及ぼすことを忘れず、日々の保育・教育に携わりたいと考えています。


コラム:「3行日記・3行メール」のすすめ

楽観的になる訓練方法があります。それが「3行日記」です。ハーバード大学の心理学者、ショーン・エイカーの著書にあります。
(『幸福優位7つの法則〜仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』(徳間書店)



毎日具体的によいことだけ3つ書きます。それを習慣化します。私はそれに加えて「3行メール」を提唱しています。友達とメールで「今日のよかったこと3つ」をやりとりします。こうしたことが習慣化するとどうなるか?



毎日3つGoodを書くことが習慣化すると、不思議なもので、朝からつねにGoodを探すようになります。そして最終的に、悪い出来事にであっても、そのよい面を見るようになります。Badの中にGoodを探すようになるのです。

というのも、物事はすべて解釈しだいです。過ぎてしまったことをいつまでもクヨクヨと思い悩んでも仕方がありません。失敗の中に希望を見出し、意味を見つける。次の行動につなげていく。逆境に強い人はこうした「心の習慣」を持っています。

変化の激しいこの時代を生きていく子どもたちには、こうした楽観性が大切です。右肩上がりに成長した時代は終わりました。まず私たち大人から、楽観的に物事を見る習慣を持つこと。それが子どもの心を育ちにつながるのです。

※園主講演「3行日記・3行メールのすすめ」(高校PTA対象)



→ 10.自分にYES!と言える力(自己肯定感を育むほめ方)


1.手で考える力 2.似たものを見つける力(イメージする力) 3.仲直りできる力
4.気分を言語化できる力 5.ごほうびを先延ばしできる力 6.自分で決める力(自律性) 
7.人を尊敬できる力 8.人に共感できる力 9.楽観できる力
10.自分にYES!と言える力(自己肯定感を育むほめ方)