プロが現場で行っている技をご家庭に!食育の基本は0歳からです!(参考『なぜ食べてくれないの?』春陽堂書店より)
1.「離乳食を食べてくれない」
2.【心】:まずは「安心感」
3.【唇】:口に突っ込まない
4.【唇】:「上手に食べる」は「上手に話す」につながる
5.【唇】:スプーンは水平に
6.【手】:手の動きを封じ込めない
7.【手】:指差しを通じたコミュニケーション
8.【耳】:適切な「ことばかけ」をしていますか?
9.【目】:目の前におかずを次々出していませんか?
10.【足】:ブラブラ、フラフラしていませんか?
「先生、赤ちゃんが離乳食を食べてくれないのですが…」
私たちの園には小児科医院「トレポンテこどもクリニック」が併設されています。村社歩美院長によれば、10ヶ月検診で一番多いお母さんからの相談が「離乳食を食べてくれない!」という悩みだそうです。
「食べてほしい!」という思いがあまりに強いと、お母さんの焦りになります。それが子どもには威圧感となり、食が進まなくなることもあるのです。
私たちの園で行っている子育て支援セミナーでのことです。
「食べたがっていたのでスプーンで与えようとしたら激しく拒否されました」
そんな相談を受けました。「スプーンを渡してみたら?」とアドバイスするとその子は早速自分で食べ始めました。その1歳の子どもは自分自身で食べたかったのです。子どもの気持ちをくんであげることが大切です。
「昨日は食べてくれたのに、なぜ今日は食べてくれないの?」
ついいらいらしてしまう、という相談を受けたこともあります。子どものことを考えて作ったのに、本当にがっかりしてしまいますね。でもそのときの体調や機嫌によっては食が進まないこともあります。部屋が暑いから、ということもあるし、時には甘えたいときもあるでしょう。いつもはひとりで手づかみ食べができるのに、(たべさせて!)と要求してくることもありますよね。そんな日があってもいいのです。
「(発達として)できないこと」なのか
「(気持ちとして)やらないこと」なのか
子どもがあるレベルまで発達したと思っても、まるで「退行」したように見えることがあります。気持ちが乗らないこともあるでしょう。行きつ戻りつ。甘えたい子どもの気持ちをくんであげましょう。柔軟性もまた大切なのです。
保育園の現場では、食事の献立は「管理栄養士」が考え、調理は「調理師」が行います。できあがったものを食べさせるのが「保育士」です。園での食事は3者の「プロフェッショナル」が関わっています。しかし、ご家庭ではお母さんが1人3役をこなします。
お母さん=管理栄養士+調理師+保育士
お母さんは大変なのです!育児本とにらめっこしながら、一生懸命メニューを考えて作り、「さあ完成!」。そしていざ、赤ちゃんに与えようとすると…。思いとは裏腹に、赤ちゃんはすんなりと食べてはくれません。子どもが意欲的に「食」に向かうにはどうしたらいいのか?どんな食事指導をしたらいいのか?これは「保育士」の仕事になります。
本屋さんに行くと食育の本はたくさん並んでいます。その多くは「管理栄養士」や「調理師」の視点で書かれたものです。「どんなメニューにするか?(=管理栄養士)」「どのように作るか?(=調理師)」ということはもちろん大切です。しかし、
「どのように食べるか?(=保育士)」
という視点もまた大切なのです。これが現場の知恵です。
この小冊子では保育士が実際に現場で行っているテクニックを簡単にまとめました。その根底にある思いをひとことで書くと、
いかにして意欲的に「食」に向かう子どもに育てるか?
となります。健全な食欲がベースとなり、「遊ぶ意欲」→「人と関わる意欲」→「学ぶ意欲」→「働く意欲」につながっていきます。そのベースはまさに「0歳」にあるのです。
以下に続きます。
1.「離乳食を食べてくれない」
2.【心】:まずは「安心感」
3.【唇】:口に突っ込まない
4.【唇】:「上手に食べる」は「上手に話す」につながる
5.【唇】:スプーンは水平に
6.【手】:手の動きを封じ込めない
7.【手】:指差しを通じたコミュニケーション
8.【耳】:適切な「ことばかけ」をしていますか?
9.【目】:目の前におかずを次々出していませんか?
10.【足】:ブラブラ、フラフラしていませんか?