「子どもが落ち着いて座って食べてくれない」という悩みを抱えるお母さんは多いものです。歩き回って食べることが常識のように考えているお母さんもいます。そのポイントの1つは、実は「足」にあります。
大人でも座ったときに足がフラフラして安定していないと落ち着かないものです。今この冊子を読んでいるあなたもやってみてください。しっかりと両足を床につけると安定しませんか?子どもはなおさらです。
そこで次のように子どもの足を安定させます。
私たちの園では、お風呂用のラバーマットを切って使います。これならば汚れてもすぐに水洗い可能です。足でけっても動かないように、イスの脚の部分が納まる穴を開けておきます。イスの高さに合わせて足がぴったりと安定するように重ねます。
ところで「いつからイスに座らせるか」ですが、あまり早くからイスに座らせると姿勢が悪くなり、誤飲の原因にもなります。のどがきちんと立った状態(背筋が伸びた状態)でないと、気管と食道の弁(喉頭蓋:こうとうがい)の不都合が起こる可能性があります。
寝転がったような姿勢で食べさせることはよくありません。よくラックなどに座らせていますが、座らせるならば背筋がきちんと立っていなければいけません。
まだ筋肉がちゃんと発達していないうちにイスに座らせていると猫背になったり、寄りかかって座るようになったりします。子どもの発達を見極めて次の姿勢へもっていくということも大事なことです。
イスに座らせるタイミングはひとり歩きができる頃。背筋が整ってくるのと同時くらいですね。
足の安定は大きなポイントなのであえて先に書きましたが、これは机とイスのバランスの問題でもあります。あるいは家具の選択です。その目安は肘の角度。
イスと机のバランスですが、上のように座った子どもの肘がだいたい90度くらいになるのがベター。家具選びのご参考にどうぞ。
背中もきちんと立たせることが大事です。背中とイスの背もたれの間に隙間があれば、そこにも何か挟み入れたほうがいいでしょう。
きちんと座れるように配慮してあげると、正しく座り、そして「自分で食べよう」という気持ちが出てくるものです。
よく肘掛けつきのイスがありますが、あれはちゃんと座れない子どもが使うもので、本当は必要ありません。きちんと座ることができれば、寄りかかる必要は何もないのです。
最近どこかに寄りかかりながら食事をとる小学生がいるという話を聞きましたが、自分の体は自分が支える、それが大事です。
以上です。
1.「離乳食を食べてくれない」
2.【心】:まずは「安心感」
3.【唇】:口に突っ込まない
4.【唇】:「上手に食べる」は「上手に話す」につながる
5.【唇】:スプーンは水平に
6.【手】:手の動きを封じ込めない
7.【手】:指差しを通じたコミュニケーション
8.【耳】:適切な「ことばかけ」をしていますか?
9.【目】:目の前におかずを次々出していませんか?
10.【足】:ブラブラ、フラフラしていませんか?