とても忙しいお母さん。時間を急ぐあまり、なかなか食べてくれないからといっていつもいつも、スプーンで食べ物を口の中に放り込むように与えていました。
でもずっとそうしているとどうなるでしょうか?赤ちゃんは口さえあけていればいいわけです。自動的に食べ物が入ってきます。いやなら口を開けなければいいだけ。
私たちの園では、まずスプーンで赤ちゃんの唇のところへ持っていきます。すると赤ちゃんは自分で口を開けてスプーン上の食べ物を食べに来ます。「自分から」という姿勢を大切にしたいのです。
スプーンを口に持っていったら、子どもの唇に当てます。あるいはそこで少し待つ。子どもが食べ物を自分から取り込む「間」を与えます。子ども自身が「アム!」としてくることが大事です。ガッと口の中へ入れてしまうと、唇でものを取り込む力が育たなくなってしまいます。
唇はとても大事な役割をしています。食べ物を取り込む以外に、柔らかさ、温かさ、味などをキャッチするのです。ですから口の中に押し込んでしまうと、「ごっくん」と飲み込んでしまい、噛むことも少なくなります。
ここで待ってあげて、子どもが自ら食べに来るということが大事です。時間はかかりますが、こうしたことを大切にしてあげると、「食べる」ということに能動性が出てきます。ポイントは、
「少し待つこと」
これは子育てのあらゆることに一貫する大原則です。子どもの主体性を引き出すには時間が必要なのです。
以下に続きます。
1.「離乳食を食べてくれない」
2.【心】:まずは「安心感」
3.【唇】:口に突っ込まない
4.【唇】:「上手に食べる」は「上手に話す」につながる
5.【唇】:スプーンは水平に
6.【手】:手の動きを封じ込めない
7.【手】:指差しを通じたコミュニケーション
8.【耳】:適切な「ことばかけ」をしていますか?
9.【目】:目の前におかずを次々出していませんか?
10.【足】:ブラブラ、フラフラしていませんか?