1歳頃から手づかみなどしてひとりで食べようとします。そんな時期にも「ことばかけ」は大事です。
「にんじんおいしいね」
「じゃがいも食べる?」
「パンも食べる?」
など、手にした食品、食べさせてあげる食材の名前を言ってあげましょう。こうしてことばが身についてきます。
子どもは大人の口の動きをよく見ています。まねをして口を動かします。空気をのどから外に出すうちに、音を発することに成功します。そうしてことばを発するようになります。それはやがて、一音の発声から、単語になっていくのです。ことばが話せないといっても、大人のことばを聞いて学習しているのですね。
こうした「ことばかけ」は食事のときに限らず大切です。子どもの能動性が向上します。まず何かをやるときに声をかけるわけです。
「ごはん食べようか?」
「おててふこうか?」
食事の前には手を洗いますが、そのときも私たちの園では、いきなり子どもの手をつかんで拭くのではなく、ことばかけをして少し待ちます。その上で、
「おててふこうか?」
といってタオルを差し出します。すると、
(ふくよ!)
と子どもがタオルに手を乗せてきます。拭こうとする意志が表に出た瞬間です。それから拭いてあげる。ほんの少しの「間」なのですが、意欲を育むとはこうしたことなのです。
【注意:ことばかけのやりすぎ】
「ことばかけ」をすると言葉を覚えることが早くなる、といわれます。だからといって、ことばをかけすぎるのも子どもにはストレスになりますので気をつけましょう。
「ことばかけ」は大切ですが、あくまでも 「適切な」 ことばかけです。子どもの行動をよく見て、気持ちをくんであげた上で、
「○○しようか?」
ですね。
以下に続きます。
1.「離乳食を食べてくれない」
2.【心】:まずは「安心感」
3.【唇】:口に突っ込まない
4.【唇】:「上手に食べる」は「上手に話す」につながる
5.【唇】:スプーンは水平に
6.【手】:手の動きを封じ込めない
7.【手】:指差しを通じたコミュニケーション
8.【耳】:適切な「ことばかけ」をしていますか?
9.【目】:目の前におかずを次々出していませんか?
10.【足】:ブラブラ、フラフラしていませんか?