夏見台幼稚園・保育園には調理場が3つありますが、そのどこにも白砂糖はありません。甘味はてんさい糖か高級本みりんを煮切って使っています。それはなぜか?
白砂糖の害として次の4つをあげました。まず❶の糖化です。
血管はたんぱく質でできています。お菓子やジュースのとりすぎで血液中に糖があふれ、たんぱく質とくっつく。それが体温で熱せられると毒性を持つ糖ができます。これが糖化(こげる)です。すると活性酸素が発生し、酸化(さびる) が起こります。活性酸素は各種炎症物質を活性化します。その結果の 炎症(燃える) です。炎症は万病のもとです。
次は❷ビタミン・ミネラルの喪失。食事とスイーツとの大きな違いは、「食事は栄養を摂るもの ⇔ スイーツは栄養を浪費するもの」ということです。
糖類をエネルギーとして活用するときに、ビタミンやミネラルが消費されます。特にビタミンB1。これは「道徳ビタミン」といわれ、感情のコントロールに深くかかわります。またカルシウムも消費されます。カルシウムは鎮静作用があり、欠乏するとキレやすくなります。
❸については前項で触れました。最後に❹の腸内細菌の乱れ。ここが本題になります。
砂糖は腸内の悪玉菌の大好物です。お菓子・ジュースのとりすぎは腸内環境を乱します。そしてここが重要なのですが、「腸内バランスは幼児期までに決まる」ということです。
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グラフは自然分娩・母乳育児で育った場合の、平均的な腸内細菌の分布の推移です。生後2,3時間でまず悪玉菌(大腸菌)が優位を占めます。3,4日くらいたつと善玉菌(ビフィズス菌)が入れ替わり優位になります。そして、
幼児期までにだいたいその後の腸内細菌のベースができる
というわけです。
小さな子どもは、最初は特に甘いお菓子やジュースなど欲していません。ただ、ひとたび与えて味を覚えてしまうと、「もっともっと!」と中毒になります。それくらい強烈なのです。
4月の入園式で、私は「せめて卒園まではお菓子・ジュースはお控えください」とお話ししています。幼児期の腸内環境の乱れは、その後の人生に大きく影響します。せめてこの時期だけでも食事に気をつければ、健康の土台を手にすることができるのです。上のグラフはその可能性を示唆してくれます。
以下に続きます。
はじめに
1.血糖値スパイク
2.白砂糖の害
3.ペットボトルか?水筒か?
4.慢性炎症の時代
5.私自身の話
6.腸のバリア機能
7.日本の長寿村・短命村の食事
8.「食の主体性」とは?
9.コオロギはなぜ自殺するのか?
10.我々は操られているのか?
11.腸内細菌と脳の関係
12.あなたのチワワにエサを!
13.園での取り組み
おわりに