私はつねづね「玄米を主食にすべきだ」と主張しています。するとお母さんたち女性陣からは、美容の面からも賛成意見が出るのですが、どうもお父さんたちが…。「好きなもの食わせろ!」と白米がやめられないという話をよく聞きます。
玄米も炊き方次第で、ふっくら、モチモチになります。白米にはない栄養がありおいしいです。がそこは、白米が食べたいというのも「食の主体性」であるわけです。
私は「主体性」についてずっと考えてきました。これは現代の教育界の最大のテーマでもあります。主体性とは何か?主体性はどこから来るのか?脳か?しかし本当にそうなのか?
そんなとき、私はある本に出会い衝撃を受けました。その内容を、整理して紹介いたします。
いきなりコオロギです。これは私の小学校時代の記憶です。夏のプールの時間。よく、コオロギの死骸がプールの隅に浮かんでいるのを覚えているのです。なぜ?秋が近いのかな?そんな風に考えていました。しかし違いました。これはコオロギの自殺なのです。
youtubeで「コオロギ 自殺」と検索すると映像も出てきます。夜、プールに飛び込んだコオロギのおしりから、体長1メートルものハリガネムシが出てくるのです!
ハリガネムシは水中で交尾します。その卵はトンボの幼虫にくっつきます。そのまま成虫となったトンボはやがて死に、コオロギに食べられます。ここではじめて、ハリガネムシはコオロギの体内に寄生します。
ハリガネムシはコオロギの脳をハイジャックし、特に視覚をつくり変えていきます。明るいものに反応するようにしてしまいます。
コオロギは夜行性です。夜明るいものは?そう、月や電灯に反射する「水」です。果たしてコオロギは夜プールに飛び込みます。するとすぐに、コオロギの体内から…
ハリガネムシが寄生するのはコオロギだけでなく、カマキリやカマドウマなどもそうです。神戸大学の佐藤拓哉准教授によれば、調査したある川に生息するサケ科の魚が、年間に得る総エネルギー量の6割くらいをカマドウマから得ていたといいます。つまりこうしたことは頻繁にあることなのです。
これは「神経寄生生物学」という1980年代からはじまった新しい学問です。動物がほかの動物を操る。人間までも操っている。
以下『心を操る寄生生物』(キャスリン・マコーリフ著、インターシフト)を参考に、人間の主体性の問題までも揺るがすエピソードを紹介します。
以下に続きます。
はじめに
1.血糖値スパイク
2.白砂糖の害
3.ペットボトルか?水筒か?
4.慢性炎症の時代
5.私自身の話
6.腸のバリア機能
7.日本の長寿村・短命村の食事
8.「食の主体性」とは?
9.コオロギはなぜ自殺するのか?
10.我々は操られているのか?
11.腸内細菌と脳の関係
12.あなたのチワワにエサを!
13.園での取り組み
おわりに